2008年、失業者数16,000人

昨年の失業者数は過去5年間で最も多い16,000人であったことがわかった。そのうち13,400人が解雇された社員で、2,600人が契約を打ち切られた契約社員であった。

最も多く失業者をだしたのは製造業で全体の約3分の1にあたる8,300人。また、サービス業での失業者も多く、4,900人が職を失った。サービス業では失業者の3,200人が第4四半期に解雇されており、前年同期比の5倍は膨れ上がった。そのほとんどが金融と卸売に集中していた。

人材開発省(MOM)は、世界的な不況が予想以上に深刻であることが失業者数に反映しているとコメント。さらに解雇者数は1998年のアジア金融危機の30,000人に達するのではないかと警鐘を鳴らしている。

一方でガン・キム・ヤン人材開発相は昨日、景気後退や失業など更に悪化していくことになるだろうが、あまり落ち込む必要はないと語り、政府の支援援助Spurなどの充実ぶりをアピールした。

しかし、エコノミスト達の中には、人材開発省が発表した失業者数は氷山の一角でしかなく、また今年の求人数も予想以下の数字になるだろうと見ている。そのうちの1人、スタンダード・チャタラーのアルヴィン・リユウ氏は特に今年上半期には雇用機会を生うチャンスはないと予想している。

昨年は227,000の求人数があったが、そのほとんどが第3四半期までのもの。第4四半期は求人数は減少し失業者数は増加するという状況のなか、前年同期比のマイナス12.5%成長という最悪の結果に終わった。

また、失業率は昨年9月の2.2%から12月には2.6%と上昇している。シンガポール居住者でみると、シンガポール国民が3,7%、永住権保持者が3.3%。この数字は1年とおしてみると、居住者全体で3.2%にとどまり、2003年SARS時の5.2%よりはかなり低い。

旧正月休暇

KAMOBSのこぼれ話 その10

昨年のクリスマスもそうだったが、この旧正月休みも長めにとっている企業が例年になく多かった。特に製造業などでは先週の土曜日から10連休というところもあったようだ。不況の中、長く休暇をとる会社が増えるという話はきいていたが、シンガポールで10連休とはあまり耳にしなかった。

これもまた、不況の煽りだろうか、旧正月の祭日2日間が過ぎて29日となっても多くの小売店が閉まっている。日本の寂れた商店街のようにシャッターが下ろされた光景には気分も滅入る。

そんな中、毎朝、仕事に向かう前に立ち寄るローカルコーヒーショップが営業していたのにはほっとした。多くの客で賑わっていて、テーブルが空いていない。しかたがないので、持ち帰り用のビニール袋(夏祭りですくった金魚をいれてもらうビニール袋)にテイ・オー(アイスティー)を入れてもらい、1ドル渡す。するといつもの店員が「あと10セント」と手の平をつきだしてくる。値上げしたのかと聞くと、明日まではすべての価格が10%増しだという。

なんでも、この不況でこのコーヒーショップも今週1週間休みにするはずだったようだが、すぐ近くのコーヒーショップが今週末まで閉店と知り、急きょ営業に踏み切ったようだ。そんな事情からお店の従業員を説得させて仕事をさせるためにちょっとした小遣いを渡すぐらいのことを約束したんだろう。

間違いなく、その約束した小遣いが理由で、すべて通常料金を10%増しにして営業しているのだろう。この不況時でも経営者はちゃっかりしている。取れる時に取る、取れるところで取る。シンガポール人のたくましさを垣間見た気がした。

旧正月を前の懐事情

KAMOBSのこぼれ話 その9

旧正月まであと4日。スーパーは多くの買い物客でにぎわっている。いつもの年の瀬とかわらない光景で、ここには不況の2文字は見当たらない。

毎年この時期になると、銀行に行って紅包(アンパオ=お年玉)用の新札を交換してもらうのが役目となっている。通常、追加が用意されるほど多くの新札が出回る。需要に供給が間に合わず、銀行では交換できる紙幣に制限を設けるときもある。今年は不況のせいか、交換できる新札に余裕があったようだ。

家から近い地元銀行に行ってみた。 開店の15分前に到着すると、ガラス張りの向こうで行員が朝礼を行っている。耳を澄ますと上司が部下に向かって話している内容が聞き取れる。アツく語る上司に時間を気にする素振りはない。

9時を少し回ったところで一人の女性銀行員が入り口の外側にやってきて、客に用件を聞き始めた。新札に交換して欲しいと伝えると最低S$400からで2ドル紙幣と10ドル紙幣の組み合わせは自由だという。2ドル紙幣100枚と10ドル紙幣20枚のパッケージをお願いすると400ドルだけでいいですか?と聞いてくる。頷いて引換券をもらい、店内に入る。気づいたら自分の後ろは長蛇の列。

カウンターでも先ほどと同じようなことを聞かれた。何ドル必要ですか?の問いに先に手渡された引換券を見せる。400ドルだけでいいですか?の問いには、今年はこれで十分でしょうと答えると、やっぱり景気が悪いですからねえと言いかけ、右手で口を覆う若い行員。余計なことを言うなといわんばかりの冷たい視線が隣のカウンター(恐らく先輩銀行員)から注がれる。

少し観察していると、ほとんどの客が最低限額の400ドルのパッケージをもらっていた。過去に2ドル紙幣不足でいろんな銀行に足を運んだことがあるが、その時とは全く違う。ここにはいつもと違う光景がある。紅包の額で、その家庭の懐事情もわかりそうだ、そして我が家の懐事情も探られそうだ。

まあ、あまりネガティヴな話題に触れないようにして、この1年がいい年となることを祈る。

2009年成長率、再度下方修正へ 

通産省(MTI)は21日、今年の国内総生産(GDP)成長率を再度下方修正したことを発表。、3週間前には前年比マイナス2~プラス1%と下方修正されたばかりだが、世界的な経済悪化が予想以上に加速していることが理由でマイナス5~マイナス2%に下げられた。

マイナス2%の成長率は、仮にV字型回復が年内後半に起きた場合に予想される数値で一方マイナス5%は景気回復の見通しが立たない場合のもの。

仮に5%減で独立前の1964年に記録された-3.8%を抜き最悪の事態が予想される。2001年の景気後退の際には前年比2.4%減にとどまった。

現時点で予想される昨年度の国内経済成長率は1.2%。また2008年第4四半期は当初の2.6%減を上回る3.7%減となる見通し。 最終的な発表は来月末。

2008年、所得格差縮小

1月20日、統計局は昨年の世帯間所得格差が縮小したことを公表した。低所得世帯で、新たに職を求めた家庭の増加が大きな要因と見られる。就労者の所得自体も1.8~5.4%増加した。

シンガポールの109万の世帯で少なくとも1人が就労者である世帯を調査したところ、月収の平均はS$700増え、所得としては2007年の中央値S$6,300から昨年はS$7,090に増加。もっとも所得を伸ばしたのは、中間所得層で、月収の中央値はS$6,730となった。

※住宅構成層別の2008年における所得増加率
1あるいは2部屋の公営住宅に住む家族  15.4%
3部屋の公営住宅に住む家族             13%
4部屋以上の公営住宅に住む家族             12.3%
一戸建てやコンドミニアムに住む家族          8.5%

EDB、1億ドルを投じて企業を支援

企業の雇用や従業員の技術向上を支援するため、EDB(経済開発局)は、今年度新たに1億ドルを導入する。

これPrep-Up(Preparaing for the Up-turn)とよばれる基本構想で、政府が援助する技能向上計画“Spur”を支援するもの。少なくとも2000人がなんらかの支援を受けられるという。

より多くの実習研修を卒業間近な学生や新卒者に提供していき、既存の研修プログラムを企業のために拡大する。新卒者を見習いとして雇いたい企業に対しては、固定給がEDBより支給される。

研修を受ける新卒者は企業の社員ではないため、企業から賃金を受け取ることが出来ない。こうした新卒者が専門分野での経験を積むこと、また大学で得た貴重な経験を無駄にしないように大々的な支援していくという。

また、この不況のなか、幅広い業種での研修計画を利用することが可能だと自信をのぞかせる。その一つとして、Initiatives in New Technology(Intech)計画とよばれるものがあり、新しく工場を設立した企業に対して、工場の運営をしていく人材育成のためのコストをEDBも負担する。

IEシンガポール、不況の中、アフリカに注目

シンガポール国際企業庁(IE Singapore)はシンガポールの次なるビジネス開拓地としてアフリカに注目している。

シンガポール企業の諸外国への進出などを支援する政府機関である国際企業庁のチョン・チーフエグゼクティヴは、この不況のあおりを受けていないアフリカ諸国に興味を示している。 資源があり、最近インフラ整備にも着手しはじめた国にはビジネスチャンスがあると期待を寄せる。まず始めに、リビア、ガーナ、モザンビークそして南アフリカに目を向けていく方針だ。

リビアには石油、ガーナには金・鉱物、モザンビークと南アフリカは豊富な農産物があることなどが魅力。リビアは欧米諸国の制裁措置も解除されていることも好材料のひとつ。

オン・ベン・セン・ホテルプロパティーはすでにリビアにホテルの再建築や改装に着手し、エンジニア・インフラ整備会社のボウステッド・シンガポール社は商業地域の設計・建設を行っている。

米の卸売価格、上昇

米の卸売価格がここ数週間、上昇中である。現在のところ店頭価格には変化はないが、このまま価格がつりあがっていけば、小売価格にも影響を及ぼすものと見られている。

不安定な米の収穫と変動する通貨によって、輸入米の価格はさらに上昇するだろうと予想される。

市場の7割を占める主食米のタイ米価格は昨年11月より上がりつづけ、2ヶ月前より12%上昇の1トン当たりUS880にて取引されている。これはタイバーツが対USドルで上昇傾向にあること、旧正月を前に需要が伸びていること、タイ政府が地元濃産地から高額で穀物を買い取っていることなどが原因とみられる。

しかしながら、専門家の一部はここ数週間後には価格が下がるだろうと見ている。旧正月明けには卸売り価格でトンあたりS$50ほど下がるのではないかと期待する業者もいる。

スーパーなどの小売価格は以前変わらぬままで、NTUCFairPriceのウン・チェアマンは卸売価格の上昇は小売価格に影響するほどのものではなく、できるだけ価格の維持に努めるとコメントしている。

理想の重量

KAMOBSのこぼれ話 その8

シンガポールでは、1月2日から新学年・新学期が始まる。特に毎年この時期は、小さな体が半分しか見えなくなるような大きなカバンを背負って登校する小学生を見るたびにかわいそうに思う。小学生がバックパッカーのようだ!中にはメイドにカバンを持たせ、涼しい顔で登校する子供もいるが、思いカバンを持った低学年の子供たちに笑顔はない。

1月14日の地元紙ストレーツ・タイムズに興味ある記事と写真が掲載されていた。North View小学校では理想のカバンの重さを知らせる看板が(おそらく校門近くに)設置されていて、子供たちに注意を呼びかけているようだ。4.5kg以上はRED(DANGER)ZONE,4-4.5kgがAMBER(WARNING ZONE)、そして4kg以下がGREEN(SAFE ZONE)だとしている。

4kg以下がSAFE ZONEといっても、例えば2kgと4kgでは実際に感じる重みは全く違うはず。大人ですらそう感じる。そんなことを思いながら、先日手に入れたSONYのVAIOに目をやる。

外出先からでもメールを素早く送信するには、指の太い者にはノートパソコンのほうがいい。そんな理由で手に入れた仕事道具であるが、カバンにいれて持ち運ぶと意外と重く感じる。仕様では重量が1.9kgとなっている。もっと軽量のノートパソコンを好むビジネスマンが多い意味がよく分かる今日このごろ。

外出中、「重い」と感じたときは、小さな小学生が背負っているあのバカでかいカバンを思い出すようにしている。

NTUC、シンガポール国民への支援を強化

14日、NTUC(全国労働組合会議)のリム・スゥイー・セイ事務総長は、シンガポール国民がこの不況に耐えられるような支援体制を強化していくことを明確にした。

NTUCの保育施設、NTUCファーストキャンパスの保育費を、国内の中央値S$630より低く設定すると同時に保育士の質を高め、国内の保育施設の数が増やす計画だという。

また、13日(火)には、既にNTUC FairPriceスーパーマーケットは独自商品500品目を5%引きを年内いっぱいまで継続することを発表。当初、この割引は3月までの計画だった。

支援を必要とする家庭には、シェアファンド等からこれまで以上の交通費や公共料金の引換券をあてがう。そのための予算として2008年の13.1百万ドル、2007年の7百万ドルを上回る20百万ドルを投入する予定。

リム事務総長は、支援計画で労働者、その家族、特に子供たちに降りかかってくる不況の影響を少しでも和らげたいとコメント。また景気悪化で失業数の増加が予想されるが、NTUCは雇用の機会をつくっていく努力を引き続き行っていくと約束した。

同事務総局は失業率が7%を超すアメリカやその他の外国に比べシンガポールはシンガポールの現状はまだ落ち着いていることを強調した。

最新の調査(2008年9月)でのシンガポールにおける失業率は2.2%。