【シンガポール】 浴槽市場の可能性

KAMOBSこぼれ話 Vol.116

何年か前にも同じような問い合わせをいただいたことを憶えている。そのときも同じ回答でやんわり返事をしたと思う。

市場調査の仕事では、複数の企業からほぼ同時に、同じ案件の見積り依頼をいただくことはある。でも今回のように、数年経ってから、ほぼ100%同じ内容の問い合わせを別の企業から頂いたのは初めてだ。

市場調査では、いわゆるリフレーミングを意識して、自分とは違う視点や価値観を持つ第3者の意見にも耳を傾けることがあるが、どうしても自分の持つ判断基準が他者の持つそれを完全否定してしまうこともある。

また、どうしても第3者から自分と違う意見を聞き出せないときもある。

靴を履く習慣のない地域であっても、靴を履く習慣を植え付ければ靴販売できる大きな市場になるという見方は理解できなくはない。 

ただ、湯船に浸かる習慣のない地域に、湯船に浸かるという習慣を根付かせれば浴槽販売できる大きな市場になるという見方が理解できるほど頭が柔軟に出来ていない。しかも、依頼者が主力商品として考えている浴槽は「高級檜風呂」だ!

常夏の暑い国では、汗をかいたら、すぐシャワー。乾季の真っ只中でここのところ暑いシンガポールでは、早朝、新聞を買いに外にでかけただけで、汗びっしょりになる。そんな環境では、「高級檜風呂」は宝の持ち腐れだ。

今回の依頼者は、富裕層を対象に東南アジアで販路を築きたいというが・・・・・・。

相手が富裕層なら、何でも売れるという超ポジティブな考え方もあるのかもしれないが、どうも気持ちはそちらに向かない。 それにしても暑い! 本日3度目のシャワーを浴びよう。