【東南アジア市場編】 多言語対応で観光誘致

★訪日外国人の観光誘致を考える Vol.4

世界中から600種類、9,000羽が集められた世界最大のバードパーク、Jurong BirdPark(ジュロン・バードパーク)。シンガポールの人気観光スポットの一つでもあるが、週末になると子供連れの家族も多い。

我が家の子供がまだ小さかった頃、何度足を運んだことか。カラフルな鳥たちに餌を与えたり、調教された鳥によるバードショーを見るだけでも十分楽しめる。大人気のバードショーも少しずつ内容を変えて、リピーターに飽きられないような工夫がされている。

そんなジュロン・バードパークで、1度だけちょっとした淋しさを感じたことを覚えている。関連商品を販売している店で日本語表記がなくなっていたのだ!一時的ではあったが代わりに目に飛び込んできたのはハングル文字。ちょうど日本人観光客数が伸び悩み、それに代わって韓国からの観光客が増加していた頃だったと記憶している。商業的に考えれば仕方のないことだろうが・・・・・・。

言語が違う他所の国で、自分の母国語で表記された看板やパンフレットなどを目にして、うれしく感じるのは、どこの国の人も同じなのではないだろうか? 日本の人気観光地では複数の外国語による表記が目につくようになった。 多言語対応で海外からの観光客誘致を図る動きも活発になっており、外国人観光客に対するサービス向上に注力していることがうかがえる。

ただ、多言語対応の内容をみてみると、コールセンターでの対応言語は英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・フランス語など、ウェブサイトやパンフレットの対応言語は英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語・繁体字・簡体字・ハングルなどがメインとなっているようだ。東南アジア市場の開拓にはあまり興味がないのだろうか?

観光庁が発表した、1-3月の訪日外国人の国別旅行消費額をみると、東南アジアのタイ、シンガポール、マレーシア、ベトナム、フィリピン、インドネシアは、英国とフランスを除いた欧州各国を上回った。こういった状況を考えると、多言語対応の内容をより充実したものにアップグレードする必要性があるのではないだろうか? タイ語、マレー語、ベトナム語、タガログ語、インドネシア語などは必要ないのだろうか?

東南アジアの国々からj来た観光客のなかには、不自由なく英語や中国語を使いこなす人も少なからずいるし、団体旅行となると必ずと言っていいほど通訳業務も兼ねるエスコートがいる。だからといって彼らの母国語を無視してしまうのは、日本人の「おもてなし」精神に反するのではないか? 

今年4月に東京と京都で、東南アジアからのやって来た観光客への聞き取り調査を実施した。観光地での対応言語についての質問で、非常に印象的な回答を得た。ベトナム人観光客の数人が飲食店で日本人スタッフにベトナム語で挨拶され、とてもうれしかったと回答してくれた。一方でタイ人観光客の多くからはタイ語の表記がほとんどなく淋しかったとの回答を得た。

訪日外客誘致キャンペーンによる新たな地域振興を考える場合、対応言語で差別化を図り、ある市場(国)をピンポイントで攻める戦略もありだと考える。 「日本中どこを探しても、xxxx語でのサービスが充実している観光地はウチだけです!」っというぐらいのアピールはあっていいと思う。

*KAMO CONSULTANCYは東南アジア諸国からの旅行者が求める旅程を考案するインバウンドコンサルタントです