高級シーフードをインターネットショッピングモールで販売

eコマースビジネスの拡大とともに、高級シーフードをインターネットショッピングモールQoo10やRakutenで販売する出店者の売上が急上昇している。

オンラインでショッピングを楽しむ消費者のニーズの多様化にともない、地場系のスーパーマーケットでは販売されていない高級シーフードの需要が高まっている。

iChefはインターネットショッピングモールQoo10で、冷凍のカキ、ズワイガニ、ホタテ、イクラなどを2012年から販売。現在、売上は販売当初の30倍。 iChefは飲食業を展開するSuki Groupが運営。iChefのジェイソン・アン氏はもともとは輸入した食品を飲食店に卸していることから、一般消費者にも十分満足してもらえる食材の提供ができるという。

Rakutenでは、昨年1月に10種類のシーフードを販売する電子商店が開業。現在では電子商店10社が300種類以上のシーフードを販売している。営業開始1年未満で売上が20倍以上に達した電子商店もあるようだ。Rakutenのゼネラルマネージャー上野氏は、統計をみるとオンラインショッピングでは飲料や他の食品と比較してシーフードの需要が高いという。 また、シーフードを購入する消費者は同時に飲料や他の食品を購入する傾向もみられるという。

Kaiho Seafoodのように、オンラインショッピングで調理されたフグの取り扱いもはじめた業者もあり、人気を博しているが、傾向として実店舗を構えるような動きはないようだ。 また、オンラインショッピングで高級シーフードの需要が高まっていることを受け、eコマースビジネス用にスペースを提供する倉庫業者もあらわれているようだ。

肉厚の「王様しいたけ」を販売

IMG_568811月20日、明治屋スーパーマーケットで、北海道産食品を取り扱うアンテナショップ「カムイン北海道」が「DOSANKO PLAZA」としてリニュアルオープンし、それにあわせて北海道フェアが開催された。

道内地域産業海外展開力創成事業の一環として道内から13社の食品製造業者が参加。 北海道ならではのスイーツ・菓子、乳製品、水産加工品、1次産品などが販売され、道産品に興味を示す現地消費者で賑わった。

今回海外では初めての販売となった生の「王様しいたけ」のブースには多くの買い物客が立ち寄った。 きのこ製造の(有)福田農園が、北海道の大自然を十分に取り入れられる専用ハウスで、横津岳の天然水や菌床の製造にこだわって栽培された「王様しいたけ」は通常のものよりサイズが大きく、1個で500gの大きさにもなる。IMG_5690

非常に肉厚で余分な水分を吸収していないのが特徴で、味もさることながら、ホットプレートで焼いても縮むことなく歯ごたえ十分。 品評会でも数々賞を獲っている「王様しいたけ」は日本国内での販売場所も限られている貴重な食材だ。

明治屋では、2個入り1パック(約200g)の「生しいたけ」と、「干ししいたけ」(1パック約50g)を販売。店内では、福田代表取締役が自ら、生の「王様しいたけ」をバターと塩・コショウで炒め、試食サービスも行った。 また、先月明治屋内でオープンした北海道の弁当屋「Bentos」でも「大様しいたけ」を使ったメニューを提供。

「北海道グルメストリート」開催、道内外食企業の海外進出を後押し

FullSizeRenderシンガポール西部に位置するショッピングモール「ジュロンポイント」の地下1階で、8月28日から10日間限定の「北海道グルメストリート」がオープンした。 北海道内に本社を有し、海外進出を実施中又は検討中の外食企業7社が参加。

参加企業のうち、帯広市に本店がある人気ラーメン店「麺屋開高」や函館銘菓「Snaffle’s」はすでにシンガポールに進出済み。札幌の弁当屋BENTOSSは10月にシンガポール1号店をMEIDI-YAに開業予定だ。海外進出未経験の企業は2社が参加。

参加企業は実演販売をとおして、新たな店舗展開や初めてのシンガポール進出を目指し、様々な消費者層の趣向や適性価格を探る。今回のイベントは北海道内の外食企業の海外進出を支援する外食産業海外展開実行委員会(札幌市)が主催した。

外食産業海外展開実行委員会は、テストマーケティングをきっかけとして、1社でも多くの飲食店が海外に進出することを望むとしたうえで、北海道内の外食企業が海外に進出することで、北海道産食品・食材の輸出増加に繋げたいとしている。HokkaidoGourmet1

同実行委員会は、10月29日からシンガポールで開催される、フランチャイジー希望者、代理店希望者、テナント誘致担当者などが来場するフランチャイズ専門展示会FLAsia (Franchising & Licensing Asia 2015)でも、海外展開を希望する北海道内の外食企業を支援する。

札幌市経済局産業振興部国際経済戦略室長の山田一八さんは、「これまでは、海外市場における北海道の知名度に胡坐をかいてきたところがあったが、今後は外食企業の海外進出支援等、これまでと異なるアプローチで北海道の食品・食材を強くアピールしたい」と語った。

海外で販路開拓することと輸出することは別

日本産の食材・食品のシンガポールにおける販路開拓ということで、輸出や貿易について事細かにお調べになった生産者や製造メーカーが、来星してみて肩透かしにあうというケースは少なくない。

海外での販路開拓が初めてという場合、現地の輸入業者と直接取引することは極めて難しい。 

バイヤーである輸入業者が商品に興味を示してくれたとしても、小ロットからの注文がほとんどである。仮に最初からある程度の分量を求められても、逆に供給する側が対応できない。

また、日本産食材・食品の輸入業者の多くは日本にカウンターパートを持ち、そこを通して商品を仕入れている。だから、食材・食品の生産者や製造メーカーにとってみれば、実際のところ商品の取引は国内渡しで済んでしまう。

こうした事情を知らず、FOB価格やCIF価格を設定してシンガポールに乗り込んでも、バイヤーからは日本国内での卸値しか聞かれなかったと首をひねる方もいらっしゃる。

日本産の食材・食品をシンガポールに売り込みたいと考えている生産者や製造メーカーの多くは、「海外での販路開拓」と「輸出」を混同してやいまいか。

販路開拓とは、新たに商品の販売先を見つけ出すこと。シンガポールで販路開拓を行って新たに販売先としてのチャンネルを得たとしても、その先、輸出業務が待っているとは限らない。理由は既述の通りだ。

国内渡しによって、自分の商品が海外に売られることをメリットだと捉え、より多くの生産者・製造メーカーに商品を売り込みに来星いただければと思っている。

【シンガポール】 初夏の北海道プロモーション

IMG_44626月26日から3日間、シンガポール明治屋において北海道産食品のテスト販売が実施され、販売コーナーは多くの買い物客で賑わった。

テスト販売は昨年同様、北海道貿易物産振興会による海外展開支援事業の一環として実施されたもので、道内食品製造業をはじめ7社が参加。各企業から企業研修として派遣された参加者自らが現地消費者に出展商品を直接アピールした。

現地消費者の嗜好について事前に情報を収集していたようだが、試食品を口にしてもらうことで、思ってもみなかった現地消費者の反応も見ることが出来た参加者もいたようだ。

塩辛い商品は受け入れられないと聞いていたが、意外と塩気の強い商品も人気だったというのは㈱厚岸マルスイの内山さん。5種類の商品を販売したが、塩気の強い“紅鮭のほぐし身”も3日目夕方までに完売。試食してもらって、塩辛いという声もあったが、すんなり商品に手を伸ばす消費者も多かっIMG_4458たようだ。

また、事前の調査どおり、いか味やエビ味の“豆菓子”が好評だったというのは豆菓子製造・販売の池田食品株式会社の高橋さん。ロマンス製菓株式会社の森さんも、黒ゴマ味の“ソフトキャンディー”は予想どおり現地消費者にも受け入れられたと納得の表情を見せた。

今回のテスト販売で得た消費者の生の声をもとに、シンガポールでの販路開拓に向けて、すでに第二、第三の矢を放つ計画を検討中という参加企業もあり、今後の展開に注目していきたい。

パッケージデザインの重要性

小売用加工食品を持参し食品輸入業者を訪問する食品メーカーに同行すると、業者が小売商品のパッケージデザインについてダメ出しする場面に遭遇することがある。

デザインと言っても、言葉の表記とか色彩の問題ではなく、パッケージを見ただけで、現地消費者が内容物を理解できるようなデザインになっているかどうかが問われる。内容物がわからないような小売用加工食品は消費者が手にしてくれないという。

シンガポールでは様々な「わさび味」商品が定着しているが、随分前に、日本で販売されていた「わさび味」の商品を輸入業者に勧めたところ、パッケージに「わさび」のイラストは要らないと指摘を受けた。現地消費者が「わさび」そのものを知らないし、「わさび」がメインの商品ではないからだというのが理由だった。

小売用加工食品の場合、その内容物は外から見えない商品が多い。スーパーマーケットなどの店頭では、カテゴリー別に商品が陳列されているが、ほとんどの商品がパッケージをみれば内容物がわかるようなデザインになっている。

パッケージデザインは、不必要な情報を省いて、シンプルで且つ強烈に商品を知らせるものでなければいけない。 いったん店頭に陳列されれば、フェアでない限り、わざわざ商品説明をしてくれる人はいない。パッケージが商品を紹介する役割を担う。

「飲食店における3秒ルール」というのがあるらしい。外見、バナー・ポスター、または展示されたメニューレプリカを見て3秒以内に何を提供している飲食店なのか理解させないと新客が獲得できないという話らしい。小売用加工食品に置き換えれば、パッケージを見て3秒以内に商品を理解させることとなるが・・・・・・。

3秒内とは言わないが、消費者がパッケージを見ただけで、どんな商品なのかが分かるようなパッケージデザインを考えていきたい。

一般消費者層向けの催事

日本の琵琶湖より少し広い710km²に547万人が住んでいるシンガポール。大きな市場ではないが、日本産の食材・食品の売込み先としての注目度は依然高い。

東西の直線距離は約40km、南北は約25kmという小さな国だが、消費者の感覚は都市部と郊外で随分と違う。 都市部へ買い物に出かける消費者のほうが、より高品質で高価なものを求めており、一方、郊外では未だに、「安かろう、悪かろう」がまかり通っている部分も否定できない。

日本産食材・食品のシンガポールにおける販路開拓としては、いわゆる“富裕層”を対象にした売り込みが一般的だったが、最近では、“富裕層”とは違う一般消費者層の存在も注目されるようになっている。そんな中、郊外の商業施設で開催される日本産食品の催事も増えている。

郊外の商業施設で開催される一般消費者(大衆)向けの催事では、商品価格が低めに設定されていて、商品サイズも価格に応じて小さ目になっていることが多い。郊外の消費者の特徴を意識し、売上げを少しでも上げようという意図が垣間見られる。

日本からこうした催事に参加される方の中には、“儲け”を強く意識している方も少なくない。商売だから当たり前だと言われそうだが、渡航費や高い宿泊費だけを考えても、催事で“儲け”を出すのかなり厳しいと言わざるを得ない。ましてや大衆向けの催事では・・・・・・。

はじめて参加する大衆向けの催事は、一般消費者の反応をみる、とても貴重な機会だと捉えていただくほうがいいように思う。 

“オールジャパン”より地方色を強調した売り込みを!

シンガポールは食品の90%を輸入に依存している。スーパーマーケットで販売されている商品の原産国表示を見ても実に多くの国名を目にする。

現地で頻繁に開催されている食品フェアは、USフェア、韓国フェア、台湾フェアなどのように、国名が使われるだけで、各国の地域名は全くといっていいほど強調されてはいないケースがほとんどだ。

こうした諸外国の動きを参考にしたのか、数年前から日本食品も“オールジャパン”の体制で輸出拡大を促進しようという動きが顕著になってきている。

当初は、全ての日本産食品が対象ではなく、すでにブランド化に成功していた北海道産食材・食品全般や青森県産リンゴなどは別扱いにするという話を、“オールジャパン”を推進する関係省庁の方から耳にした。

こちらの勝手な解釈だったのかもしれないが、それまで主流だった「〇〇県産」というPRから、一部の例外を除いて全ての食品が「日本産」として海外に売り込む体制が“オールジャパン”だと思っていた。

“オールジャパン”の食品展が開催されると聞きいたときも、ブースやコーナーの区割は都道府県別ではなく、品目別に設けられるものだと思っていた。実際、当時は、外国人(とりわけ都市国家であるシンガポールの消費者)に、「〇〇県産」だと言っても理解してもらえないという見方が支配的だった。

展示会場では、自分と同じように品目別のコーナーがあると期待して来場したものの、どのブースに足を運んでも同じような商品ばかりで、歩き疲れたという食品関係者の声も少なくなかった。見る側、買う側からすれば、ごもっともな意見だろう。

品目にもよるが、個人的には一貫して、各都道府県あるいは市町村それぞれの地方色を強調した売り込みのほうが海外では効果的だと考えている。

それぞれ自慢できる商品にはストーリーがあるはず。同じ品目や類似商品であっても地域性の違いによって、ストーリーは様々だ。そして、そのストーリーこそがブランド化に向けた突破口となると信じている。

海外に売り込みたい地域自慢の食べ物が、“オールジャパン”の傘の下で埋もれてしまわないようなサポートを心がけていきたい。

健康志向に逆行する人気食

タキイ種苗株式会社が、日本在住の20~70代、112名の外国人を対象に実施した「日本の食文化に関する意識調査」の結果が非常に興味深い。

「日本食の素晴らしいところ」という質問には、58%が「カロリーが低くてヘルシー」、「栄養バランスに優れ、健康的」と回答(第3位)しているのに対して、「自分の国の人におすすめ出来る、美味しいと感じる日本食」の問いには、76.8%が「ラーメン」と回答(第1位)している。

「美味しいと感じる食べ物」が食の健康に関する外国人の興味を反映した結果となっていない点がおもしろい。出身国別の調査結果はないが、宗教・文化上の食事制限がない外国人であれば、東南アジア諸国出身者の回答も概ね似たような結果だったのではないかと想像する。

東南アジアでもシンガポールを中心に、食の健康志向が高まってきていると言われる。 健康促進局なるものが、新鮮な野菜の摂取を勧めたり、塩分の取りすぎないように注意を促している。 シンガポールの小学校・中学校では専門化のアドバイスを受け、栄養バランスのとれたセットメニューを提供する動きも見られる。

しかし、飲食店やスーパーマーケットを見る限り、健康志向の高まりに影響を受けたメニューや商品はほとんど目にしないのが現状だ。

シンガポールの食品輸入業者でも、健康志向を口にするのは青果物を取り扱う業者ぐらいで、あとは健康志向が高まっていることは認識しているものの、需要の高い食品・食材に影響を及ぼすには至らないと考えているところが見うけられる。

こってり味のラーメンを口にしながら、某輸入業者と健康志向について雑談。「健康志向だけに捉われていたら、シンガポールの外食は絶滅するね」と口にする某業者。

こってり味のスープを飲み干した若い女性客を横目に、東南アジア市場での販路構築を目指す生産者・メーカーの方々が、わざわざ健康志向に合わせて商品を選択する必要は現時点ではないと確信した。

「美味しい」「安心・安全」以外の「強み」を

食品の商談会や見本市に出展する企業の商品について、どんなものが受け入れられそうかアドバイスを求められることが多い。 

食品市場の特徴、日本食品の輸入動向、食品の輸入規制、飲食店の進出傾向など一通り説明したあとに、「美味しい」「安心・安全」以外に強みを一つでも持っている商品なら何でもいいのではないかとお話させてもらうことにしている。

出展企業は、日本での主力商品を筆頭に、これから推していきたい新商品など複数の商品を売り込みにくる。商社になると、それぞれが関連性のない商品10品ぐらいをブースのテーブルに並べるケースも少なくない。

商談会では、招待されたバイヤーや小売店・飲食店関係者に、通訳を通して一生懸命出展商品の説明をする参加者の姿がある。商品価格、最小ロット数、賞味期限などの情報提供とともに、「美味しい」以外の強みを説明する参加者も。

期待していた主力商品に対する反応が良かったという喜ぶ参加者もいれば、思わぬ商品が注目を集めたと驚く参加者もいる。

良かれと思って紹介した商品ではなく、なんとなく数的に寂しいから持ってきたという商品が注目されることは少なくない。ただし、注目を集める商品は必ず「美味しい」「安心・安全」以外の強みを持っている。

主力商品でも新商品でもなかった出展商品が、数十秒で調理できるという「強み」が評価され、海外で売られるようになったケースがある。

すでに多くの海外市場では、日本食品は美味しく、基本的に安心・安全だと認知されており、「美味しい」「安心・安全」という枕詞に頼った売り込みにも限界があるような気がする。

海外への売り込みを検討されているメーカー、商社には、商品の持つ強みを今一度、意識していただきたいと思う。