シンガポールにおけるサービス業の質の低さを改善するために、2日、大手企業の最高経営責任者(CEO)6人のグループはフォーラムで、サービスの向上にはビジネスリーダーが直接関わるような努力が必要であると声を上げた。
フォーラムには各企業から150人の上級経営者が参加。フォーラムの基調講演者であった、キャピタランドグループのリュウ・ムンレンCEOは「サービス業界がこのまま衰退していけば、国際都市としてのシンガポールにも影響を及ぼす」と指摘した。
CEOのグループはシンガポールのサービスの質は驚くほどひどく、危機的な状態に達していると、痛烈に批判。昨年、サービスに関する調査で10の国・地域のうち3年連続で9位にランクされたことに苦言を呈した。
このフォーラムでやり玉にあげられたのが、小売業と飲食業。チャンギ空港グループのチェアマンでもあるリュウ氏は空港での話も含め、これまで何度か酷いサービスを受けたことや、その度に自分の携帯からすぐさまフィードバックを送ったことなどをエピソードを語った。
一方、マクドナルド、Ikea, ブレッドトーク、トーストボックス、シンガポール航空などサービスの向上に積極的に努めている企業もあり、これらの企業の最高経営者がサービス面の重要性を強調していることにも触れた。
また、チャンギ空港、セントーサ、Ion Orchardなどでは、政府の資金提供を受けたサービスに関する実験的な取り組みが現在進行中で、詳細については後日発表されるという。
シンガポール経営大学(SMU)評議員でNTUCの事務総長補佐を務めるのオン・イェクン氏は、サービスの向上にはCEOの役割が不可欠だと認めたうえで、企業が管理側と顧客の接待に携わるフロントラインの間のギャップを埋めるようシステム化することの重要性を指摘した。