【シンガポール】 健康志向と食

KAMOBSこぼれ話 Vol.111

畜産王国九州で「脱霜降り」の動きがあるようだ。健康志向の高まりからヘルシーな赤身肉の需要が伸びていることが背景にあるという。

シンガポールでもここ数年、健康志向は高まっているが、赤身肉和牛の需要が生まれることはあるのだろうか?

シンガポールでは日本産牛肉の輸入が解禁になって以来、マーブルスコアが高く、見た目にも綺麗な高級和牛がもてはやされてきた。

2008年当時、スーパーマーケットで販売されていた和牛の価格は100gあたり37Sドルぐらいだったか? とにかく、なかなか手が出せない価格で霜降り和牛が売られていた。 

最近では、等級もA5ばかりでなくなったし、扱われる部位も少しずつ増えていることから、小売価格帯には幅がでてきたように思う。 ただ、マーブルへのこだわりは相変わらず強そうだ。

シンガポール市場では(少なくとも日本市場でもそうだと思うが)「霜降り」こそが和牛(あるいはWagyu)のシンボルであり、ブランドそのものである。 その「霜降り」のない和牛を今のシンガポール人消費者が想像できるだろうか?

日本では健康志向を理由に、霜降り和牛から赤身肉和牛に乗り換える消費者が増え、霜降り和牛が売れ残る精肉店もでているというが・・・・・・。

シンガポールでは、健康志向の高まりの影響を受けた市販の食品などほんのわずかだと思っている。 基本ローカル消費者は単純に、おいしいと思った商品の価格が自分の物差しで計ってみて適正だと判断した時に消費しているだけなのではないだろうか?

昨年、「和の健康食」と題した商談会を企画・実行したが、結論からいうと現地輸入業者や飲食店関係者の目にはあまり魅力的に映らなかったようだ。彼らは、健康志向が高まっていることは認識しているものの、需要の高い食品・食材に影響を及ぼすには至らないと考えていたのだろう。

北海道産サケよりも脂がしっかりのったノルウェー産サーモンしか受け入れられないシンガポール市場を考えると、なんでもかんでも健康志向と食を結び付けてしまったことを反省している。