【東南アジア市場編】 市場の特徴と旅行消費者のツボ

★訪日外国人の観光誘致を考える Vol.12

海外における観光PRには、その市場の特徴を把握し、その市場の旅行消費者のツボをつく訪日プロモーションが必要不可欠だ。

東南アジアの主要市場では、具体的にどんな特徴を押さえておくべきか? 対象がマスなのか、リピーターなのかという点はあるが、まず需要取り込みが期待できる長期スクールホリデーや宗教関連の政令指定休日による連休の時期をしっかり把握する必要はある。

例えば、シンガポールでは6月と12月の2回、マレーシアでは12月にそれぞれ1ヵ月以上のスクールホリデーがあり、この期間は子供を連れて海外に出かける旅行者が増える。また、タイではソンクラーン休暇(4月)、インドネシアでは断食明け休暇(7月)に海外旅行を楽しむ人が多いように、訪日客が見込める時期が市場(国)によって違う。

そして各市場の旅行消費者の特徴として宗教的側面にも目を配るべきだと思う。仏教国として知られるタイやミャンマーからの観光客には鎌倉の大仏をはじめ、日本で仏教を感じるスポットが人気のように、信仰する宗教が違えば、訪れてみたい場所にも違いが出てくることは予想される。また、食事規定についての知識も当然必要となる。

更に宗教で言えば、ムスリムの多いインドネシアやマレーシアでは、どこに対象を絞るか? 圧倒的マジョリティーであるイスラム教徒の市場を開拓するのか、訪日旅行者が多いイスラム教徒以外の市場に焦点をあてるのか? 同じ国とはいえ、宗教の違いにより別々の市場が存在することを頭に入れておくべきだ。

また、東南アジアからの訪日旅行者は比較的富裕層が多いと言われているが、彼らの動向を調査しいていると、国民性による趣向の違いを感じることができる。

東南アジアからの観光客は買い物好きが多いが、ブランド品の買い物を好むインドネシア人に対して、タイ人やマレーシア人は100円ショップやディスカウントショップを好むようなところが見うけられる。また、シンガポール人はローカル色の強いスーパーマーケットや商店街のようなところをより好む傾向があるようだ。

そして、東南アジアからの訪日旅行者の行動範囲を見てみると、日本語を理解できる旅行者は別として、英語を公用語とするシンガポールやフィリピンからの旅行者は、それ以外の旅行客と比較すると行動範囲が広いように思える。これは実際、言語による情報量の違いとも関連性があるのかもしれないが、彼らはより体験型イベントを好むようなところも見られる。

東南アジアの旅行消費者への観光誘致にあたっては、各市場の特徴や消費者の趣向を考慮し、日本でしか味わうことができない季節感(四季)、名所、文化、食事等をうまく織り交ぜてた商品を開発したい。

*KAMO CONSULTANCYは東南アジア諸国からの旅行者が求める旅程を考案するインバウンドコンサルタントです