【東南アジア市場編】 免税店増設は観光誘致策ではない

★訪日外国人の観光誘致を考える Vol.7

訪日外国人の観光誘致を目的とした、政府・自治体による様々な取り組みが継続的に行われている。円安という外的要因はあるが、インバウンド需要を伸ばすことを目的に努力を積み重ねてきたことが、訪日客数の増加に繋がっているのは間違いない。

訪日インバウンド需要の高まりを背景に、訪日外国人の旅行消費額も増加。安倍首相も先月、訪日外国人の観光誘致策の一環として、地方に免税店を増やすと表明したばかりで、今後は免税店の増設が更に加速しそうだ。

免税販売の対象は、昨年10月の消費税法改定により、電化製品やブランド品など加え、食品、飲料、薬品、化粧品などの消耗品まで拡大。大手量販店は、大々的に免税をPRし、外国人観光客の集客に努めている。

ただし、ここでは敢えて、免税店の増設そのものが、外国人観光客を増やす直接的な手法ではないことを強調しておきたい。

外国人観光客の誘致にある程度成功している観光地であれば、免税店を増やすことで得られる利点はあるだろう。商店街全体を免税店とする動きもなど、地域の活性化に繋がる可能性もあるとみている。

一方、極端な言い方になるが、外国人観光客の姿がない地域に設置した免税店など、無用の長物である。そのような地域に免税店を設置しても外国人旅行客を呼び込めはしないだろう。

にもかかわらず、免税店増設が観光誘致策であるかのようにミスリードする情報は少なからずある。 

「うちの地域も、外国人観光客に来てもらいたいので町ぐるみで免税店の申請を検討しています」という内容のメールをいただいた。

「観光誘致でまず大切なのは、他所では感じることのできない魅力ある観光資源のPRなのではないでしょうか」と返事をするのに時間はかからなかった。 

東南アジアの人々が、わざわざ観光で日本にやってくるには、それに相応しい目的があるはずだ。免税店での買い物が目的の観光であれば、もっと近場で免税制度が充実しているシンガポールで十分なはず。そんなことを考えながら、今日はメールをいただいた方と一緒に、「町が誇れる観光資源」について考えている。

*KAMO CONSULTANCYは東南アジア諸国からの旅行者が求める旅程を考案するインバウンドコンサルタントです