“オールジャパン”より地方色を強調した売り込みを!

シンガポールは食品の90%を輸入に依存している。スーパーマーケットで販売されている商品の原産国表示を見ても実に多くの国名を目にする。

現地で頻繁に開催されている食品フェアは、USフェア、韓国フェア、台湾フェアなどのように、国名が使われるだけで、各国の地域名は全くといっていいほど強調されてはいないケースがほとんどだ。

こうした諸外国の動きを参考にしたのか、数年前から日本食品も“オールジャパン”の体制で輸出拡大を促進しようという動きが顕著になってきている。

当初は、全ての日本産食品が対象ではなく、すでにブランド化に成功していた北海道産食材・食品全般や青森県産リンゴなどは別扱いにするという話を、“オールジャパン”を推進する関係省庁の方から耳にした。

こちらの勝手な解釈だったのかもしれないが、それまで主流だった「〇〇県産」というPRから、一部の例外を除いて全ての食品が「日本産」として海外に売り込む体制が“オールジャパン”だと思っていた。

“オールジャパン”の食品展が開催されると聞きいたときも、ブースやコーナーの区割は都道府県別ではなく、品目別に設けられるものだと思っていた。実際、当時は、外国人(とりわけ都市国家であるシンガポールの消費者)に、「〇〇県産」だと言っても理解してもらえないという見方が支配的だった。

展示会場では、自分と同じように品目別のコーナーがあると期待して来場したものの、どのブースに足を運んでも同じような商品ばかりで、歩き疲れたという食品関係者の声も少なくなかった。見る側、買う側からすれば、ごもっともな意見だろう。

品目にもよるが、個人的には一貫して、各都道府県あるいは市町村それぞれの地方色を強調した売り込みのほうが海外では効果的だと考えている。

それぞれ自慢できる商品にはストーリーがあるはず。同じ品目や類似商品であっても地域性の違いによって、ストーリーは様々だ。そして、そのストーリーこそがブランド化に向けた突破口となると信じている。

海外に売り込みたい地域自慢の食べ物が、“オールジャパン”の傘の下で埋もれてしまわないようなサポートを心がけていきたい。